日本政策センターの「明日への選択」を購読すると読める「安倍晋三」!今月号は「リベラルとの戦い」阿比留瑠比氏を掲載!
安倍晋三のまだまだ知られていない発言や政治信条が今現在に明かされる月刊誌。日本人として日本人らしく生きていく為の羅針盤。是非ご購読を!
例えば、今月5月号には、産経新聞論説委員の阿比留氏が安倍晋三との会話を元に寄稿している。では、ご一読を!
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リベラルとの戦い 阿比留 瑠比(産経新聞論説委員 政治部編集委員)
日本にとって、リベラルを自称、僭称(せんしょう)する全体主義者ほど平和や繁栄、自由で活力ある社会の妨げになっているものはないのではないか。彼らはなぜか日本にルサンチマン(恨み)を抱いており、根拠不明の選民意識で日本社会そのものや考え方の違う他社を攻撃し続ける。
最近では「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」(産経新聞出版)を書店に置かせないというキャンセル活動が話題になったが、正義や善意を掲げて他者の自由を抑圧しようという人々を、安倍晋三元首相が生きていたらどのように語るだろうか。
令和3年2月のことだったと記憶する。国会裏の衆議院第一議員会館12階にあった安倍事務所を訪ねたところ、映画好きで知られる安倍氏に「これ面白かったよ」と『紅い闇スターリンの冷たい台地で』という作品を薦められ、DVDを借りて観た。
内容は、世界恐慌下の1933年、社会主義経済が成功して景気は絶好調とされたソ連(現ロシア)に赴き、当局の監視をかいくぐって隠されていた現実を目撃した実在の英国人記者、ガレル・ジョーンズの物語である。
潜入しようとしたジョーンズの目に映った何でも育つ肥沃な大地であるはずのウクライナは、ソ連の統制下で誰もが飢え、家族の遺骸まで食べる地獄だった。収穫された穀物などはほとんどがモスクワに送られ、ウクライナ人には届かないのである。
帰国後、ジョーンズはソ連の恫喝をはねのけて実情を訴えるが、ソ連と内通するピューリツァー賞を獲得したニューヨークタイムズ紙の大物記者(やはり実在する人物)にデマだと書き立てられ、当初は相手にされない。ジョーンズが外交顧問を務めていたロイドジョージ元首相もソ連の要請を受け、ジョーンズの話を握りつぶそうとする━。
人民を飢餓常態にする北朝鮮、ウイグル人ら少数民族の「ジェノザイト(民族大量虐殺)」を現在進行形で続ける中国、事実から目を逸らせ、外国勢力の代弁者のような報道を繰り返す左翼新聞社など現在の内外情勢との類似が頭に浮かんだ。
中でも、共産主義者の実体がそこまでひどいと知らない知人が、スアーリンに同情的なことを述べるシーンが印象的だった。ジョーンズは激しくこう反論する。「平等主義というのは、搾取と同じ構造で、しかもよりタチが悪い」
実に本質を突いたセリフだと言える。この場面を見つつ、改めて「ある種の平等主義は、全体主義者に利用される」「全体主義者らは現在は、『リベラル』自称しているのだろう」と感じた。
全体主義者、共産主義者が『リベラル』というソフトな装いで忍び寄り、逆らい難い「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」を掲げて、勢力を拡大している。彼らは口では「多様性」や「やさしさ」を協調しながら、その実は社会全体を自分たちが好む一色に染めようとする。まさに日本共産党が主張する「多様性の統一」である。
その頃、安倍氏はこんな話もしていた。
「以前は左翼だと名乗っていた連中が、ソ連が負ける形で冷戦が終結して以降は左翼が恥ずかし言葉になったので自分はリベラルだと言い出し、リベラルに逃げ込んでいる」
もちろん「リベラル」の本来の意味は「自由を重んじること」や「自由主義的なさま」のことだが、我が国の自称リベラルは自由を嫌い、文化・芸術も報道も価値観も平坦な一色でなければ気が済まない。
安倍氏は当時、日米のマスミに米分断の象徴のように書き立てられていたトランプ氏についてはこう分析していた。
「トランプ氏が分断を生んだのではなく、米社会の分断がトランプ大統領を生んだ。そして、その分断を作ったのはリベラル派であり、オバマ大統領の8年間だ。リベラル派は上から目線で保守派を劣ったものとみなし、抑圧する。オバマ政権下のポリコレで思ったことが言えず、抑圧されて疎外感を味わっていた人々が本音を語るトランプを熱狂的に歓迎したんだ」
反論しにくい「平等」「差別は許されない」といった言葉を多用し、異論がる人も沈黙させる。重んじるのは自信と仲間の権利と自由ばかりで、他者の人権や不自由には関心を持たない。
伝統や家族関係を壊し、邪魔な相手は集団でつるし上げ、国民意識を画一化する。そんな正義を隠れた蓑にしたエセリベラスが支配する社会はどこに行きつくか。
リベラル派は現実を直視せず、こうあるべきだという自分勝手な観念や妄想を優先させる。安倍氏はこうも語った。
「例えば私の政権下の国政選挙で与党が大勝しても、リベラル派は選挙結果は本当の民意ではないとして結果を否定しようとした。彼らはトランプ氏の支持者は大統領選の結果を認めないと批判しているが、それは自分たちのことだろう」
また別の日には、安倍氏から映画「三島由紀夫VS東大全共闘 五十年目の真実」を見た感想を聞いたことがある。
映画は、千人を超える学生らが三島を論破しようと待ち構える東大キャンパスに、三島が単身乗り込み討論したときの記録である。安倍氏は「学生たちは入り口に三島をゴリラに戯画化した看板を立てかけるなど最初から挑発的だったんだけど、三島は冷静なんだよ」と話し、こう続けた。「学生は天皇論なと哲学的、思想的な議論を挑むんだけど、三島に歯が立つわけがない。だけど三島は相手を決してバカにせず、丁寧に笑みすら浮かべて相手と向き合い、徐々に相手を感化していった」
安倍氏は時々こんなことも口にした。
「左派、リベラルは社会や人間に対する理解が浅い。自分自身のことを振り返ればもっと分かりそうなものなのにね」「左派、リベラル派は人権侵害(をすること)は平気だから」
ある時、議員会館での安倍氏と別れ際に私が「これからはリベラル全体主義との戦いですね」と言うと、安倍氏は力強く頷き「そうだよ」と答えたのだった。
(終)
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如何でしたか?
リベラル派に対する考え方、トランプが何故これだけ米国で人気なのか、、、
安倍晋三の頭の中が少し見えてきませんか?貴重な対話です。とても勉強になります。
このように、親しかった記者に話した言葉が文章になって今読めるのです。
明日への選択で安倍元総理をもっと知ることができますし、全国で頑張っている地方議員の活動など、日本人として誇りを忘れず生きていくための知識を教えてくれます。
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是非みなさん!読んでみてください!
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