報ステ、鳩山新内閣に甘い報道ステーション。いまだ3党合意が決まらないのに、国家戦略局など民主党の機構に対する期待と賛美の声だらけ。
平成21(2009)年9月7日(月)の報道ステーション
(本日の番組内容と構成)
鳩山新内閣に甘い報道ステーション。いまだ3党合意が決まらないのに、国家戦略局など民主党の機構に対する期待と賛美の声だらけ。おまけに古川元久元財務官僚を出演させ、まだ決まってもない「政治のリーダーシップ」と「トップダウン」の大連発。政権交代前夜とはいえ、これで実現しなかったらテレ朝はどうするのか?果たしてその責任はどう取るのか。
●人事の陣容
(ナレーション) 新内閣の発足を来週に控え、鳩山代表は今日、党の幹部を集め、主要人事について協議した。鳩山代表はこの場で小沢氏を幹事長に起用する方針を表明し、出席者から了承を得た。
午後6時半、民主党本部
(鳩山代表) 衆議院の勝利、民主党の勝利を導いていただいた功績というものは偉大なるものがあると。したがって、これからも選挙に強い民主党の体質を作り出していくために、むしろ幹事長として党務をしっかりやっていただきたいと」
(記者) 「小沢代表代行からは何か具体的な言葉として、印象に残っている言葉はありますでしょうか?」
(鳩山代表) 「ありません。そういう言い方も冷たいですけど、小沢(代表)代行は基本的にうなずいて、にこやかでありましたけれども、特に際立った発言があったわけではございません」
(ナレーション) 一方、重要閣僚の人選については、鳩山代表は今日の段階では明言を避けた。
(鳩山代表) 「まだ連立の協議を行っている最中ですから、そのこと(主要ポストの人事)はまだ申し上げることはできません」
(記者) 「菅代表代行や岡田さん、それから輿石さんの処遇については、今日は何も話はなかったってことですか?」
(鳩山代表) 「そうです」
(ナレーション) 現時点で、予算編成など、国の基本方針を決める国家戦略局の担当大臣(兼副総理)には菅直人氏の起用が内定している。さらに外務大臣には、アメリカに豊富な人脈を持つ岡田克也氏が、官房長官には鳩山代表側近の平野博文氏の起用が内定した。財務大臣には藤井裕久氏の起用が有力な他、長妻昭氏は年金問題の担当大臣か、「行政刷新会議」担当大臣での起用が浮上している。また、政調会長としてマニフェストを取りまとめた直嶋正行氏は重要閣僚での起用が検討されている。さらに鳩山代表は連立内閣の樹立に向け、社民党と国民新党に対し、党首クラスの入閣を求めた。内閣と与党の政策調整を一元化することが狙いだ。
午後9時、記者に囲まれ
(社民党・福島党首) 「もしも連立に入るのであれば、社民党の政策や考えが反映、きちっとできるようなシステムを作ってください。一緒にそういうのを作りましょうっていうことを申し上げてるんです」
(ナレーション) 明日、3党の幹事長クラスによる会談が行われる予定だ。一方、党と国会の人事は幹事長に就任する小沢氏に一任される。小沢氏の主眼にあるのは来年夏の参議院選挙だ。
午後3時、連合の会合で
(小沢代表代行) 「私は政策の実行する役割ではありませんで、相変わらず選挙の方を担当させていただくことになりました。参議院はまだ、民主党は過半数というわけではありません。(参院選は)何としても勝利しなければいけないと」
●鳩山代表、温室効果ガス1990年比25%削減を明言
(ナレーション) 外務大臣に内定した岡田氏。日米関係と並んで外交の重要課題となるのが温暖化対策だ。
午後0時半、朝日地球環境フォーラム2009
(鳩山代表) 「(温室効果ガスを)2020年までに1990年比25%削減を目指してまいります。これは我々のマニフェストに掲げた政権公約でございまして、政治の意思として、あらゆる政策を総動員して実現を目指していかなければなりません」
(ナレーション) 2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減すると明言した鳩山代表。高い目標を掲げることで、12月にデンマークで開かれる「国連の締約国会議」で国際的な論議をリードしたい考えだ。この環境問題に取り組んできたのが岡田氏だ。去年には環境先進国ドイツを超党派の議員で視察している。
去年5月、ドイツ・ベルリン
(岡田副代表・当時) 「これは党派の問題というよりは、日本の国益であり、そして将来の人類の生存がかかった問題ですから、日本としてももっともっと前に出てもらいたい」
(ナレーション) 民主党は国内の排出量取引制度や地球温暖化対策税などを創設し、強制力を働かせるしくみをつくることで、25%削減という高い目標をクリアできるとしている。
先月4日、経団連会館での民主党マニフェスト説明会
(岡田幹事長) 「国際交渉において、リーダーシップを発揮したいということであります。つまり、アメリカを巻き込む、インドや中国を巻き込む。そのためにはやはり日本自身がきちんと先頭をきってやっていると」
(ナレーション) しかし、マニフェストの説明を受けた日本経団連は負担増になると難色を示していた。
先月4日
(日本経団連・御手洗会長) 「(1990年比で排出量マイナス)25%になると、数字は今ちょっと手元にないんですけど、非常に大きな負担になると。そういう大きな(削減)目標を日本が持つことは賛成できない」
(ナレーション) 政府の試算では、25%削減を全て国内で賄う場合、世帯あたり、最大で91万円の負担増につながるという。今後、産業界を中心に大きな抵抗が予想されるが、
(鳩山代表) 「日本がリード役を務めていくということが、むしろ日本にとっても産業界にとっても将来的にはプラスになると。我々がやる気を示すことによって、他の国も当然のことながらやる気を示していただくと、それが前提だということも申し上げた」
●国家戦略局の具体像を古川元久衆院議員に聞く
(ナレーション) そして、菅氏が内定した国家戦略局の担当大臣。国家戦略局とは、民主党がマニフェストで設置を約束した総理直属の新組織だ。
7月27日、マニフェスト発表会見
(鳩山代表) 「官邸主導の政治というものを確立をしていくために、首相直属に国家戦略局というものを設置をいたします。そこに相当大きな権限を有するようにしていきたい」
(ナレーション) 総理官邸に設けられる国家戦略局は内政だけでなく、外交や安全保障など、国家ビジョンを策定する。さらに、予算編成の骨格もここで決められる。設置の狙いは“脱官僚”、“政治主導”の政策決定の実現。菅氏は自社さ連立政権時代、厚生大臣を務め、薬害エイズ問題で官僚と徹底的に対決した。
1996年1月12日
(菅直人厚生大臣・当時) 「薬害エイズの問題は、特にその救済という問題は、一刻も早く1つの方向を固めなければいけない」
(ナレーション) 当時、菅氏は政治主導で厚生省が存在しないと主張していた資料を出させた。そして官僚の抵抗を押し切って公表した。
1996年2月9日
(厚生省・荒賀泰太薬務局長・当時) 「背表紙のところにエイズと書いてあった。エイズと薄く字が書いてあるものですから、だからなかなか判読がしにくくて、今までも見つからなかったわけですが」
1996年2月16日
(菅直人厚生大臣・当時) 「言葉だけでは言い表すことができませんが、本当に申し訳ありませんでした(深く頭を下げて謝罪する映像)」
(遺族) 「(泣きながら)どんなに傷ついたことでしょう。謝ってもらってありがとう」
(ナレーション) なぜ存在しないはずの資料を出させることができたのか。10年間、菅氏の政策秘書を務めた松田(光世)氏は
(菅氏の元政策秘書・松田光世氏) 「ごく1枚のペラなんですけど、“命令書”というのを書いて、本人が大臣のサインをして事務次官に渡したんですね。事務次官はびっくりしまして、そういうのを大臣から渡されたのは初めてだと」
(ナレーション) 「大臣命令」。ここにカギがあった。
(松田氏) 「従来、自民党の政治というのは“大臣ご指示”とか言って、要するに指示の文書まで役人が作って、当たり障りのないことで済ませるように仕切ってきたわけですけれども、大臣には命令権限があるわけですから、それ従わなかったらクビにできるわけですから」
(ナレーション) 国家公務員法では「職員は上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と定められ、違反した場合は懲戒免職などの処分を課される。松田氏はこの伝家の宝刀「大臣命令」を使えば、外務省が存在しないと言い続ける日米両政府の「核密約」も白日の下に晒すことができると指摘する。
(松田氏) 「岡田さんが(外務大臣に)なったその日に“調査チームを作れ”という命令を出せばですね、いろんな可能性がありそうなところを片っ端から全部探してもらえば、一定の時間内に見つかると思いますけどね」
今日、記者会見
(財務省・丹呉事務次官) 「人事にかかわる問題につきましては、まあ私どもの方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います」
今日、
(文科省・坂田事務次官) 「国家戦略局jができてですね、どういう形で仕事が進められていくのかなと、まだよくわからない点も、ちょっと率直に言うとありますので」
(ナレーション) 国家戦略局はイギリスの官邸に設けられている「政策室」を参考にして構想された。今年6月、菅氏の姿はイギリスにあった。二大政党制が定着したイギリスでは、官僚に厳しい政治的中立性を要求している。
視察後の会見、6月ロンドン
(菅代表代行) 「官僚が主導して、自治体までコントロールして、業界までコントロールしてというようなあり方は、民主主義とは違うんだと」
(ナレーション) 菅氏は政治主導の実態を視察し、独自に国家戦略局のイメージを膨らませてきた。国家戦略局は法整備の必要がない「国家戦略室」からスタートする見通しだ。菅氏の周辺によると、新内閣はまずは政令を変え、現在6人の総理秘書官などを一挙に拡大、50人規模にするという。そこに閣僚や党職員、民間人を投入、官僚はいったん退職させた上で、特別職としてメンバーに加える計画だ。
(古館) 「これだけだと、まだよくわかりませんね。国家戦略局、これからどのような内容でどう動いていくのか、もうちょっと詳しく知りたい。そこでですね、民主党の中では財源、大変、予算の政策などにもお詳しい民主党衆議院議員の古川元久さんにお越しいただきました。6月に古川さんは菅さんと一緒にイギリスに視察も行かれていて、多分、この国家戦略局に何らかの形で携わるんでしょうね?」
(古川元久) 「いや、それは私は全くわかりません、はい。何も言われておりませんので」
(古館) 「もし、やれって言われたら、喜んでおやりになるでしょうね?」
(古川) 「あの、もう人事があれば、それは指示に従うのが我々の役割ですから。それは指示がされれば、それは。今は全くされてませんので」
(古館) 「今の段階では」
(古川) 「はい」
(古館) 「まあ、この番組でも今、脱官僚、脱官僚っていう言葉が出てきましたけど、正確に言うと脱官僚じゃなくて、脱官僚主義なんでしょうね?」
(古川) 「あの、脱官僚っていうのはですね、同時に政治家が政治家としての仕事をきちんとやる。官僚は官僚としての仕事をきちんとやる。この、本来あるべき政と官の役割分担、これは私、菅さんと一緒にイギリスに行って、そのあるべき1つの姿がイギリスの政と官の関係だなと思いましたけども、そういうものをですね、目指していくっていうことだと思いますね」
(古館) 「具体的に言いますとですね、多くの有権者が政治のリーダーシップのなさ、これに憤りを感じてきた現実があるわけですね。そしてたとえば国家戦略局という新しいことで言いますと、具体的に予算配分、今までは元々大蔵官僚でいらっしゃるからよくおわかりだと思いますけども古川さん、いわゆる財務省の主計局に丸投げっていうような状態でね、結果、予算が決まっていくっていう、そこに無駄もあろうと。ここをバシッと断ち切ってくれるのかどうかというところを見てると思うんですがどね」
(古川) 「そうですね。あの、今、財務省に丸投げってありましたけど、その前にですね、各省に丸投げなんですね。要は今までの政策決定、予算もそうなんですけども、基本的にボトムアップなんですよ。日本の今までの霞ヶ関は“省あって国なし”という、各省がですね、本来は国という1つの会社のそれぞれの部局ですね。ですからイギリスなんかで英語で“デパートメント”って言ってるんです。要は1部局、パートなんですけど、これは日本の場合にはですね、各役所が1つの別の会社で、また競争している会社のようになっちゃってるんで、それをまとめる存在、本来はこれは総理の下で官邸がしっかりとまとめていかなければいけないんですが、それがこの自民党政権ではなされてこなかったんですね。自民党政権だけじゃなくて、これは明治以来続いていると言っても過言ではないんですけれども、それをですね、我々は首相官邸の下にですね、トップダウンで要は政治的な優先順位の高い政策、そして戦略を含めてですね、これをトップダウンで物事を決めて、それを各役所、まさにデパートメントであるそれぞれの部門にですね、指示を出して下ろしていくと。そういうやり方に、今までの政策の決定、そして仕事のやり方をボトムアップからトップダウンに変えると、これが一番のやっぱりポイントなんですね」
(古館) 「これは非常に大きいことだと思いますね。まるっきりその流れが変わってくるわけですね。私たちの納める税金の使い方もね、その流れも。たとえば今の、トップダウンなんだってことで言いますとね、各省庁があって、ずっと縦割りと言われてきましたよね。縦割りだからたとえば、幼保一元化、幼稚園とね保育園の一元化と言われても、文部科学省と厚生労働省で分かれて、縦割りだから、会社が違うんだからダメという。ところが、やっぱりこれからは縦割りが横割りになればですね、国家戦略局を上に置いて、これは幼保一元化で、子育て手当だけじゃなくて、そこにやっぱり働こうとしている女性がですねも、もっともっと待機児童なんかも解消されて、働けるようになるっていう。これを本当に民主党に期待してる方、多いと思うんですよ」
(古川) 「もうそれをやっぱり我々、やらなきゃいけないと思うんですね。やっぱり国民目線、たとえば今、幼保一元化の話ありましたが、私が今までやってきたので1つ提案するのはですね、年金の保険料の徴収をですね、社会保険庁を止めてですね、我々は国税庁を再編をした歳入庁というところで、税金と社会保険料は一緒に徴収するしくみにしましょうって提案をしてるんですね。これ、何で今まで分かれてたのか。国民からしたらですね、ポケットからお金が出るのに、それが税金であろうと社会保険料であろうと、同じことですよね。しかも基本的には所得をベースにして負担が決まってるんですから、同じなのに別々。これは何故かって言ったら、役所が違うからなんです。ですから我々は国民目線に立って考えたら、国民からしたら同じ財布からお金が出るということでは同じなわけですからね、であれば、同じ役所で一緒に徴収すればですね、年金の運用とか、ああいうですね問題も起きなかったんじゃないかと。そういう意味で我々は国民目線に立ってですね、そういう今までの行政の横、縦割りのですね、そういう弊害をですね、トップダウンで直していこうというふうに考えているんです」
(古館) 「そのためには納税で、税金、どのくらい納められるとかというような収入の補則とか、背番号制とかね、いろんな出てくるかと思いますが、一色さん、質問は」
(一色) 「経済財政諮問会議、これまでありましたですよね。それを何か幅を広げて外交とかそういうものも入れたようなものなのかなという感じもするんですけれども、国家戦略局は。この辺の違いはどんなことでしょうか?」
(古川) 「まあ具体的なことは私も直接関与しているわけじゃありませんし、これからですね、具体的には詰めていくことになろうかと思いますが、経済財政諮問会議も確かに官邸のリーダーシップという意味では一面のですね、それなりの成果は、特に小泉政権の中ではあったんですが、しかし基本的な、各役所がですね、ボトムアップで決めるという、そういうしくみ自体は変えてこなかったんですね。そのボトムアップのしくみの中に、上にトップダウンのがきて、結局、小泉政権なんかで思い出していただくと、常にボトムアップとここ(トップダウン)で衝突が起きていたと。まあ小泉さん、うまくその衝突をですね、まあいわば抵抗勢力だっていうので政治的にも活用していたんですが、我々はですね、そういう無意味な、同じ政権の中でですね、衝突をするような形じゃなくて、やっぱりこの国家戦略局で、たとえば予算であれば、大枠を決めてですね、そしてマニフェストでお約束をした、優先順位の高い政策、それにまず優先的に予算を配分して、そしてそういう形でやれという指示をですね、出していくと。そういう意味ではボトムアップとトップダウンがぶつかるような、今までの自民党政権の中での中途半端な形じゃなくて、トップダウンですっきりですね、政策決定をしていくような形にしたいと思ってます」
(古館) 「そこなんですけど、古川さん、そうしますと、先ほどもちらっと出てきましたけどもね、これやっぱり、今まではもう大変な利権を持っていた官僚っていうスタイルが変わると思うんです。ですから一般職は一般職、官僚の中にも特別職として、この国家戦略局の中に入る人たちがいるはずでね、議員の方々ももちろん入る。民間の有識者の人も入るという形で国家戦略局が動いていくのかなと思うんですが、その場合に、官僚から特別職になった方は1度、役所を辞めて、退職金ももらって、そして中に入って、政権の命運と共に終わるかもしれないけど、そこで国のために、国民益のためにやるっていう、そういう形になるのかなという推測が今、出てるわけですよ。そういう時に、そういう特別職になった官僚の人は、省益を守ろうなんて、利権を守ろうなんていう動機がなくなるかなと。ここができるかなってところ、感じるんですけれどもね」
(古川) 「あの、まあちょっと先ほどのですね、官僚を辞めて特別職っていう話がありましたが、私もちょっとその辺のところ、詳しくはわからないですし、そこもきちんとこれから詰めるところだと思うんですが、基本的にはそこは、別に官僚辞めてっていうんじゃなくてですね、政治任用のスタッフを使うという。その政治任用のスタッフの中には、たとえば官僚から入ってきてもいい。ただ、官僚から入ってくる場合には、その時には政治任用ですから、その場合には辞めていただかなきゃいけない。その政治任用の中にはもちろん、今、古館さんがおっしゃった民間人の方も入ったりもします。そういう政治任用のスタッフ、そういう人たちを中心にですね、そこに、またそれだけじゃなくて、実はイギリスの官邸の中の政策室の中にも、当然、他の、そういう政治任用のスタッフ以外に、役所からも来る、そういう人材もいるんですね。ですから我々は、そういう政治任用のスタッフとそしてまた、各役所からもですね、当然、人は出してきてもらうと思いますが、そういうスタッフを作ってですね、まあここでトップダウンで物事を決める、そういう中枢にしていきたいと思っています」
(古館) 「まあ今までと違ってですね、ここ、大事なスタート地点なんで、まだ詳細は言えない部分はわかるんですね。ただ、これから先、進行していった場合にはですね、逐一、情報を公開してもらって、こういう動きをやっているけれども、ここが進んだ、ここが滞ってる、原因は何か、我々もぜひお伺いしたいし、やっぱり古川さんはじめとして、皆さん、議員の方々が、その辺の今までとは違う、今まではわからなかった部分があった。そこを国民に向けて情報を公開するっていうのはすごい大事だと思うんですよね」
(古川) 「私たちはですね、これはまさに新しい国づくりを、今回、国民の皆さんもですね、リスクをとって、我々民主党を選んでいただいたわけですから、みんなでやっていきたいんです。ですから当然、その時には、これ、全く今までとは違うしくみを作ろうとしてるんですから、当然、躓いたりすることもあるかもしれない。その時にはこれは正直に皆さんに申し上げて、そしてこうやってみようと思ったけどうまくいかない、じゃあこういう形にしますよということも、皆さんにきちんと、今、古館さんが言われたようにですね、わかるような形で、国民の皆さんと常に対話をしながら進めていきたいなというふうに思っています」
(古館) 「ここでね、リアルなことを正直に伺うし、正直に答えていただきたいと、今後、思ってるんでね、ぜひ、これからもお願いしたいと思うんですけども、もう1つ。やっぱり、今まで官僚は政治家、大臣がコロコロ変わって、自分たちは長きにわたって、ずっーと天下りするにしても長く、官僚、役人で頑張っていらっしゃるから、情報とかいろんなノウハウ、全部持ってたわけじゃないですか、政策立案から決定まで。そこと対峙するってことは喧嘩ってことじゃなくてね、政治家の方々も相当勉強しなきゃいけないと思うんですよ」
(古川) 「おっしゃる通りです。これはね、私、イギリスに行って感じましたけど、イギリスの政治家はですね、日本の政治家のまあ100倍くらい、こう競争も厳しい中で、鍛えられてますね。私たちの言う政治主導っていうのは、政治家もものすごく試されます。ですから政治家が本当に努力して、勉強してやらなければ、とても政治主導っていうのはできない。そういう意味では、脱官僚っていうのは、私たち自身、政治家に向けられた、これは厳しい責任だというふうに感じてます」
(古館) 「そうですね。これから役所に入って、総勢100人以上、そこでね、一緒に融和しながら、ある部分ではけん制し合いながら仕事やっていくわけですよね」
●民主党、補正予算からの財源捻出について財務省幹部と協議
午後3時、衆院第一議員会館、財務省から民主党への補正予算の執行状況に関する説明
(ナレーション) 冒頭のカメラ撮影の間、民主党の議員も財務省の幹部もひと言も言葉を交わさなかった。今年5月に成立した補正予算。総額およそ14兆円。いまだに手をつけていない予算はどれくらいあるのか。
午後4時、衆院第一議員会館
(山口アナ) 「今日のお話の中で、民主党として、補正予算の中からどのぐらい捻出できるというふうに思われたでしょうか?」
(直嶋政調会長) 「これはだからわかりません、まだ、今、お話したように。もう少し詳しい状況をお聞きしないとわからないし、それを掌握するためには、たとえば地方自治体等にもどういう形でお聞きするかとか、そういう問題もかかわってきますので」
午後5時半
(福山哲郎政調会長代理) 「財務省はおおむね協力的だと、私は思います」
(ナレーション) 一方、財務省では
午後5時、記者会見
(財務省・丹呉事務次官) 「引き続き協議するということでございますので、今日の段階では(コメントを)差し控えるということでご了解いただきたいと思います」
テロップにて
(民主党関係者) 「公表しないという前提で財務省から大雑把な数字の報告を受けた」
(ナレーション・要約) 補正予算に盛り込まれた各省庁の事業。一体、どうなるのか。(全長16キロ、総工費1兆3000億円の東京外環道。補正予算で今年度分として95億円に盛り込まれていたが、新政権の判断を仰ぐためなのか、業者の選定が先送りとなった。
午後2時、記者会見
(国交省・谷口事務次官) 「まだ現地に入って予算を執行するという段階ではなく、準備をしているということではないかなと」
(ナレーション) 神戸港。ここでも工事を進めるのか、それともストップするのか、戸惑いが広がっている。
午後6時すぎ、
(国交省近畿地方整備局・小野憲司副局長) 「港の勢いを回復するためにですね、起死回生の一策として盛り込んでいただいたと。西日本地域における国のプロジェクトであるものですから、我々も全面的なバックアップを今までしてきたし」
(ナレーション) 神戸港の港湾整備には596億円の予算がついた。港の耐震化を進めると共に、埠頭の水深を深くして、コンテナ船の大型化に対応するために使われる。かつてコンテナ取扱量で世界第2位(1977年)だった神戸港も、今(2007年)では37位にまで急落している。地元選出の民主党議員からは
午後6時、
(兵庫3区選出・土肥隆一) 「無駄があれば省いてもらって、そして怪しいところがあればね、きちっと表に出して。だけど、どう考えても、何か、むやみに作っているわけじゃないわけで、じゃあ神戸港をどうするのと、この歴史ある神戸港をどうするのっていう観点からいってもね、大事な仕事だと思いますよ」
(ナレーション) 国土交通省は群馬の八ツ場ダムの入札を延期したが、神戸港の工事など、他の大型公共事業についてはどうするのか。
(国交省・谷口事務次官) 「全体の枠組みの中でですね、ご判断いただき、ご指示があれば適切に対応すると」
(ナレーション) 給食に炊き立てのご飯を出すため、各学校に炊飯器を送るという農水省の事業。農協の絡むこの炊飯器の事業にも、政権交代の影響が及ぶのか。
(ナレーション) 農水省が補正予算の1つとして始めた米飯給食の回数を増やす事業。予算は10億円。
5月20日、参院予算委員会
(石破農水大臣) 「やはり(給食)センターでドーンと一括して炊きますと、冬なぞは運んでいる間に冷めちゃうということもございます。子どもたちが12時になったらば、ピピピッと、こう音が鳴ってですね、ご飯が炊けた、おいしいねと。そういうように、細かく細かく、いろんなものを精査して積み上げてきたものでございまして、無駄というものは全くございません」
(ナレーション) 10億円の予算でおよそ5万台の炊飯器を全国の学校に送る計画(米飯学校給食回数増加支援事業)だ。ただ、炊飯器は直接学校に送られるのではなく、地元の農協などが購入して、それを無償で学校に貸し出すしくみになっている。しかし、手を挙げる自治体はごくわずか。なぜか。実はこの事業には農水省がモデルとした自治体があった。高知県南国市。ここでは11年前から各小学校に炊飯器を配り、給食で炊き立てのご飯を子供たちに提供している。
午後5時
(南国市立長岡小学校・山本淳一校長) 「ぬくぬくな熱いご飯をその場ですぐ食べるということは、副食(おかず)と一緒に食べたりするので、ご飯も副食なんかも残るものが少なくなっていますね」
(ナレーション) 実施する前のテストで、7~8台の炊飯器に一斉にスイッチを入れたところ、ブレーカーが飛ぶなど、学校の電気容量の不足が明らかになった。
(南国市学校教育課給食調理委員・北村真弓主任) 「電気を使いますので、その工事に随分かかったように聞いています。やっぱり炊飯器を導入するにあたっては、それなりの工事が必要だったと思います」
(ナレーション) このため、各学校でかかった工事費3200万円を南国市が負担した。今回、農水省はこの自治体をモデルにしたにもかかわらず、電気の容量を増やす工事は予算に含まれていなかった。学校の設備工事は文部科学省の所管でのため、それぞれの学校が負担しなければならない。このため、予算総額10億円に対して、使われたのはわずか1%の1000万円。本当に必要な事業だったのか。この事業とは別に、農水省は今日、農地集積化事業(2979億円)、馬産地再活性化事業(50億円)、地域資源利用型産業創出事業(193億円)の3つの事業について、予算の執行をストップするよう指示した。
午後2時半すぎ、記者会見
(農水省・井出事務次官) 「実際の最終的な補助金の名宛人まで到達していないというものについては、この1週間、10日はですね、基本的には動かさないっていうふうにしてくださいと(指示した)」
(ナレーション) また経済産業省でも「住宅用太陽光発電導入支援基金」など、4基金・1420億円の予算執行を数週間先送りするなど、霞ヶ関には民主党の出方を様子見する姿勢が広がっている。地方自治体の中には、国からの補正予算を既に組み込んでいるところもあり、こうした動きに懸念を示している。
(岐阜県・古田肇知事) 「補正予算を出すね、一部凍結というような議論も聞こえてきますが、全国的にこの厳しい経済情勢は同様だと思いますので、ぜひ慎重にご議論いただきたいなと思っております」
(古館) 「古川さん、たとえば炊飯器、どう思いますか?」
(古川) 「ひどいですねえ。まあ本当に、ああいう無駄なことって言うんですかね、やったふりだけしてね、結果的に生かされてないんだったら、何のためかっていうことですよね」
(古館) 「11年も前から、もう自発的にやっているところはすばらしいけども、じゃあ今回やるっていうんだったら、もっと考えなきゃダメですよね」
(古川) 「そうなんです。まあ特に今回のやっぱり補正予算はですね、選挙前の駆け込み、駆け込み天下りじゃないですけども、とにかく選挙の前にお金を流して、それで少しでも選挙を戦おうみたいな、そんな感じが見えた、そういう意味では本当に荒っぽ過ぎてですね、税金の使い方としては一番やっちゃいけないことですね」
(古館) 「さあ、そこで一色さん、各自治体も一部、受け取った。まあ業者にもお金が渡る手はずになっている工事があって、これが凍結って、これ、大変ですよね」
(一色) 「そうですね。これからさらに本予算の組み替えとなると、ますます、なかなかやっぱり大変だと思うんですよね。なぜかというと、それぞれの具体的な事業となると、そこにはやっぱり雇用がついてたり、それから地元の願いとか、そういうものがあったりとかしてですね、やはりその、そういうものもだけど、削られる数字、何兆円という数字は出てこないわけですから、ある意味でね、冷酷、あるいは乱暴みたいなことがですね、強いられると言いますか、民主党はそれを選ばないといけないと思うんですよね。その辺のところの自信と言いますか、ご覚悟と言いますか」
(古川) 「ここはですね、やっぱり国民の皆さんが今度の選挙で変えようっていう、そういう意思を示していただいたのが、我々民主党政権を選んでいただいたということだと思うんですね。ですから、今まで続けてきたから、まさにこれで無駄遣いが続いてきたんですね。もう全てのいろんな事業が、“やり始めたから”、“ここまでやっちゃったんだから”ということで、それこそ諫早湾もそうですし、全てズルズル続いてきた。今回なんかはですね、本来であれば、選挙によっては政権が代わるかもしれないというのがわかってた状況なんですから。地方自治体も当然、そのことを前提にしてですね、我々、違うこと言ってたわけですから、代わるという前提で、やはり本来は地方自治体の方もですね、対応していただくべきものだと思うんですね。まあこれは今まで政権交代は一度も起きなかった。ですから、こういう政権交代があり得べき選挙の前にはどう振舞うかっていうことをですね、それは地方自治体も今までは理解をしていなかったし、行政も当然そうですし、また、そして一般の方々も政権交代っていうのが選挙であり得るんだということを全く想定していなかったということが、今の事態を生んでるんだと思いますが、やはりそこはですね、ぜひ私たち自身、皆さんも含めてなんですけども、頭の考え方を変えていただくということ。できるだけ私たち、もちろん、そのことはきちんとご説明をして、納得していただく。そういう努力はしていただかなきゃいけないと思いますが、しかしやっぱり、変えるということがですね、これが一番の基本的な路線だというふうには思ってます」
(一色) 「相当強いリーダーシップ必要ですね」
(古川) 「そうですね。まあでも、それがやっぱり国民の皆さんが今回、政権交代を選んでいただいたという意味じゃないでしょうか、はい」
(古館) 「本当に覚悟は要りますしね、八ツ場ダム、これを考えても、それなりの補償とか、住民の方々の苦悩、そこを含んで理解して止めるなら止めるというところまでいかないといけないというところ、大変な作業になると思いますけども、それをやっていかなきゃいけないと思いますし、また、各選挙区選出の議員の方々も、やはり地元の方々の気持ちを思うあまり、切るとこ切れないなんてことになりますと、これ、民主党の沽券にかかわりますから、そこは削るべきところは一色さんがおっしゃるように削る。そして生かすべきところは生かすっていうことをもう鮮明にしてほしいですね」
(古川) 「もうですね、かつてのように“あれも、これも”という時代じゃないんです。“あれか、これか”ですから、やはり優先順位の高いもの、特に私たちはやっぱり人、人にですね、重点を置いた予算配分というものをやっていく。その時点でですね、今までの事業も見直していきたいというふうに思ってます」
(古館) 「そこ、大事ですね。そして、削るべき総予算が全部作れるかどうかってあたりもよーく見たいんで、またお話をこれからも随時聞きたいと思います。ありがとうございました」
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