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中国の軍拡に甘い報道ステーション

報道ステーション
=平成21年5月5日の番組内容・構成=
こどもの日のコメントとして、古館キャスターが「国が少子化対策というこいのぼりを上げるべき」という意味不明のコメントから始まる。
続いて新型インフルエンザ、核軍縮のニュースなどを取り上げている。

=平成21年5月5日の分析=

少子化対策もそうだが、国際比較の手法がおかしい。新型インフルエンザでは、日本の対策が遅れていることばかりを取り上げているが、予防接種などの面では、世界の方がより遅れている現状にはまったく指摘がない。また、核軍縮のニュースでは、核兵器を1000発以上持とうとしている中国より日本の方が悪い、という印象を与えかねない構成になっている。

オープニングの挨拶
(古館) 「今日はこどもの日です。私、今年、全くこいのぼりを見ませんでした。まあ私の行動範囲っていうのはすごく狭いってこともあるのかもしれませんけれども、そういうこどもの日にですね、今日は今朝からニュース流れていますけれども、調査以来、15歳未満の子どもの数が最も減ったというふうに出てきましてね、まあこれはつくづく、これ、国がですね、もう少子化対策という名のこいのぼりを立てないとダメなんだなっていうのを思いました」

(この報道の問題点)
普段は高齢者対策の要求ばかりを主張しながら、こどもの日になると、「15歳未満の子供の数が減った」と言い出す。「国が少子化対策というこいのぼりを立てないとダメ」というが、「少子化対策というこいのぼり」とは一体何のことかわからない。

新型インフルエンザ関連。帰国ラッシュをむかえた空港での検疫の様子や、病院で診療拒否が起きていることを伝える。

(この報道の問題点)
新型インフルエンザで、病院での診療拒否をあげつらって危機感を煽る古館キャスター。一色コメンテーターは、危機感を煽りすぎることにはあくまで消極的な姿勢だが、古館キャスターに煽られて「愕然とする」「大変なことになる」と答えてしまっている。

(古館) 「一色さん、改めてここ出てきてわかるのはですね、検疫はもちろんですけど、やはりあの、秋以降、ウイルスがどういうふうな形になってくるかっていうことは、いろんな可能性あるわけですから、秋以降の教訓にすべきはやはり、病院の診療体制の整備、これはやっぱり急務ですね」

(一色) 「うーん、今の診療拒否の話ですけどねえ、まだ国内では感染者確認もされてない段階で、病院がこんだけ混乱しているというのは愕然としますよね。まあ秋以降の、この今回の新型インフルエンザが猛威を振るう可能性もゼロではないということと、それから、もっと毒性の強い鳥インフルエンザ、このことも常に頭においていかないといけないんですけど、そういう場合だったら、この診療拒否はどうなるのかなと思うと、怖くなりますよねえ」

(古館) 「そうですね」

(一色) 「ですからこれ、本当に一軒一軒、きちんと厚生労働省が調べてですね、やはりその、どういうふうにしたらいいのか指導したり、対策とったりしていかないと、本当にいざという時、大変なことになると思いますね

麻生総理がドイツでの演説で核軍縮を訴えた。核における世界のこれまでの動きと専門家の解説を交えての構成

(古館) 「次のニュースですけれども、大変興味深い動きが出てきました」→CMへ

(この報道の問題点)
アメリカの動きを絶賛しながら、古館キャスターが日本を非難していくというお得意の構図だ。

(古館) 「この間ですね、オバマ大統領が核軍縮、これを訴えたわけですね。まあ冷戦はとっくに終わってるとはいうものの、アメリカとロシアだけで、まあ一説によれば1万発の核弾頭があると言われてます。米ロが戦略兵器削減でどういうふうに今後、本気で動いていくのかっていうのが1点。それからですね、麻生総理が国際舞台、そこでですね、核軍縮を高らかに訴えたわけですね。まあもしですね、これを本気でやろうというなら、広島、長崎の悲劇を経験している国、日本がどう動いていくのか、よく見る必要があると思います」

ベルリン、日本時間午後5時すぎ
(麻生総理) 「核軍縮を進め、不拡散体制というものを強化することが重要なんだと申し上げております。“核兵器のない世界”を目指すというゴールに歩みを進める」

(この報道の問題点)
麻生首相が「国際舞台で核軍縮を高らかに訴えた」というニュースを導入部にして、ナレーションと識者のコメントで今後日本が「核兵器を検討する可能性がある」という危機感を煽る構成になっている。

(ナレーション) ドイツを訪問中の麻生総理。スピーチで訴えたのは核軍縮だった。きっかけとなったのはこの演説。(4月5日のプラハでのオバマ大統領の演説の映像)核のない世界を訴えたオバマ大統領。核軍縮を急ぐのにはわけがある。冷戦時代、軍拡を競い合い、現在でも世界の核兵器の9割を保有するアメリカとロシア。冷戦後、この両国が結んだ核兵器の削減条約(第1次戦略核兵器削減条約)が今年期限を迎える。先月、ロシアのメドベージェフ大統領との首脳会談では、新たな核軍縮条約を年内に結ぶことで合意した。しかし、アメリカにとっての核の脅威はむしろ高まりつつある。
(4月5日、プラハでのオバマ大統領の「世界的な全面核戦争の危険は消えた。だが核攻撃を受けるリスクは増大している。核を入手した国が増えているからだ」という部分の演説の映像)
オバマ大統領の念頭にある脅威。それは
(4月29日、朝鮮中央テレビが「国連安保理が直ちに謝罪しない限り、核実験と大陸間弾道ミサイル実験を行う」と放送した映像)
ミサイル発射を非難した国連安保理に反発し、核実験の再開をちらつかせる北朝鮮。先月稼動した核燃料工場を大統領自ら視察し、核開発進展をアピールするイラン。NPT、核拡散防止条約では、アメリカやロシアなど5ヶ国だけ(米、英、ロ、仏、中)に核兵器の保有を認めている。しかし、核兵器を保有したインド、パキスタンなどはNPTに加盟しておらず、北朝鮮は脱退宣言をしたままだ。

(名古屋大学大学院・春名幹男教授) 「イランだとか北朝鮮だとか、そういう国々が核兵器を持とうとする動きをですね、抑えたいという気持ちを(オバマ大統領は)強く持っていると思います。アメリカが先頭に立って核軍縮をして、その他の国々に対しても核兵器を持とうとする芽を摘んでいくという努力をしているわけなんです」

(ナレーション) ブッシュ政権時代、核を持つ国と持たない国が対立し、決裂に終わったNPTの再検討会議が来年、5年ぶりに開かれる。オバマ大統領はこれを機に、世界の核拡散の動きを抑え込もうとしているのだ。さらにアメリカにはもう1つ、念頭においている国がある。

(名古屋大学大学院・春名教授) 「中国はアメリカに到達するICBM(大陸間弾道ミサイル)を持っているわけなんですね。中国に対してですね、核兵器の削減圧力を加えるということは、アメリカにとって非常に重要だと思います」

(ナレーション) こうした流れに乗じたのか、日本が核軍縮を訴える背景には台頭する中国への危機感がある

ベルリン、日本時間午後5時すぎ
(麻生総理) 「中国の国防費は20年連続して前年比で2ケタの伸びを示し、その内容は透明性を欠いております」

(この報道の問題点)
中国の主張ばかりに重点を置こうとする報道ステーションの姿勢が感じられる。中国の軍拡については、アメリカだけでなく、世界中が危機意識を持っているにもかかわらず、「日本の批判には道理がない」という中国外務省(外交部)幹部の言葉だけを重視しているかのようだ。

4月27日
(中曽根外務大臣) 「(中国は)核軍備の近代化を進めておりまして、これまで核兵器削減に取り組んできておりません」

(ナレーション) 中国の軍事費は右肩上がりを続け、その実力も飛躍的な進歩を遂げている。日本の批判に中国側は強く反論した。

4月28日
(中国外務省・姜瑜報道局長) 「中国はこれまで核兵器の全面禁止と廃棄を積極的に提唱している。中国の核戦略と核政策は明確で透明。日本の批判は道理がない」

(ナレーション) ここにきて核軍縮を唱え始めた麻生総理。しかし3年前に北朝鮮が核実験を行った直後には、こんな発言をしていた。

(この報道の問題点)
麻生首相が3年前に行った「隣国の核兵器に関して検討する」という言葉を鬼の首を取ったかのように、持ち出している。

2006年10月、衆議院外務委員会
(麻生外務大臣・当時) 「隣の国が(核兵器を)持つというようなことになった時に、一応、そのことに関して検討をするというのもダメ、話もできない、何もしないっていうのはあれなのであって、1つの考え方として、いろいろな議論もしておくというのは大事なことだと」「だんだんだんだん隣がみな(核兵器を)持っていく時に、日本だけ何の検討もされていないというのはいかがなものか」
(ナレーション) 総理就任直後の所信表明演説でも、核軍縮の言葉はなかった。変化の兆しが現れたのは、先月のオバマ大統領の演説からだ。

(名古屋大学大学院・春名教授) 「麻生首相はですね、かつて“日本でも”核兵器保有論議をしてはどうか”というふうに言ったわけなんですけども、やはり国民は乗らなかったと思います。その辺が非常に、一番重要なことじゃないかと。核廃絶に向けてですね、平和を主張するというのがですね、日本の強みだと思います。麻生さんはですね、ぶれないで、やはり核軍縮を地道に実行されるような外交を進めてほしいと思います

(この報道の問題点)
アメリカ寄りのスタンスで有名な安全保障専門家・春名教授のコメントで、「ぶれないで、核軍縮を地道に実行されるような外交を進めて欲しい」という言葉の切り取り。

(古館) 「あの、核拡散、これはもう大変な脅威だと思いますが、それも含めて、アメリカ、日本、それぞれの思惑ってあたりからちょっと聞いてみたいと」

(一色) 「そうですね、アメリカは当然、イラン、それから北朝鮮、またそれからテロ組織、そのあたりにもやっぱり核が渡ることを抑えようという、そういう意識は当然強いでしょうね。日本の場合はまあ、中国をやはりけん制するということはあるでしょう。それからあと、まあ若干、選挙もありますんで、選挙向けということもなくはないかなという気はいたしますけど。ただですね、日本というのはこれまでもずっと長年、この核軍縮については世界に向けて訴え続けてきたということもありますし、オバマ大統領がアメリカは核兵器を使った世界で唯一の国だというのは、逆に言えば、日本はですね、核兵器を使われたことのある世界で唯一の国なわけで、核軍縮への説得力というのを、逆にいえば一番持ってる国なんですよね。ですからまあ日本は今度、来年早々に日本で核軍縮の国際会議を開くってこともありますし、とにかくこの分野の話については、もう前に出て、どんどんどんどんですね、前に出すぎるってことはないと思うんですね。前に出てどんどんやればいいと思いますね」

(この報道の問題点)
●「唯一の被爆国という外交カードが最も有効だ」という主張を繰り返すだけの番組展開だ

(古館) 「そうですね。それで言えば、一色さん、たとえば具体的にね、そういう国際会議を、核軍縮の会議を開く時に、広島かあるいは長崎でやるとか、あるいはそこに、先ほども出てきましたけれども、インド、パキスタン、イスラエル、こういうところを巻き込んでやっていかないと、これはいけないですよねえ」

(一色) 「そうですね。その開催場所は広島とか長崎っていうのは非常にメッセージ性があると思いますね。それからまた来年、来年というか今年の秋ぐらいにはオバマ大統領も来日されるかもしれませんので、そういう時にはやっぱり広島、長崎も訪ねてほしいという気持ちもありますけどね」

(古館) 「今なお、原爆によって病気で苦しんでらっしゃる方もいっぱいいるという、この唯一の被爆国として何をアピールできるかっていうところ、根幹にありますよね」


ZERO
=平成21年5月5日の構成内容=
1日の動きをまとめて伝える24Hの後は、新型インフルエンザ関連で、成田に到着した人たちの声、病院の診療拒否や新たに3人の日本人に感染の疑いが出たことなどを伝えたが、スタジオでのコメントはなし。次は高速道路のUターンラッシュのニュース。続いて板谷由夏のLIFEのコーナーへ。

=平成21年5月5日の分析=
坂本龍一氏のLIFEという特集だけが気になる。過去を問うことなく、現在だけを取り上げているかたちになっているからだ。

板谷由夏によるコーナーLIFE
坂本龍一が北海道で森づくりをしている活動のリポート。

坂本龍一の全国ツアーは、チケット代の一部を森づくりの活動に充てている。間伐していない人工林の木を間伐することで森を再生させるという。先月、坂本が代表を務める団体「more trees」は、下川町など北海道の4町に間伐費用をサポートすることにした。
《活動のしくみ》
坂本側は間伐などの森の再生費用などを提供する。その結果、町は増えた二酸化炭素の吸収分を排出権として坂本側に渡す。その排出権を一般の人に販売することで、次の森づくりの資金に充てる。

(この報道と報道ステーションとの比較)
●「森の再生」を行っている坂本龍一を取り上げるZERO。確かに行動は立派だが、あくまで彼の左翼的言動の過去は問うていない。

(坂本) 「子どもができると、自分の視野が20年、30年とドーンと延びないですか?」

(板谷) 「延びましたね」

(坂本) 「子どもができる前は、せいぜい明日のこととか、来年のこととか。来年…僕なんかもう、本当に明日のことも考えないで朝まで飲んでたりしていたんですからね。でも急に20年とか、(子どもが)生まれたばっかりで、この子が20歳になった時に、このまま行っちゃったらどうなってるんだろうと」

(板谷) 「そうなんです。そういうことばっかり考えます」

(坂本) 「ですよね。それ、自然だと思うんです。それは親のエゴでもあるんだけど、それはとても自然なエゴだし、それがいろんなことを考える、あるいは行動するきっかけになる、大きなきっかけになると思いますね」

(板谷) 「以前はやれることをやろうって、こう漠然と思ってたんだけど、いや、思うだけじゃダメだって、すごくバーって身近にきた。そう、(子どもを産んで)具体的に何かをしなきゃって思いましたね」

(坂本) 「やっぱり子どもが口にする、口に入れるものとか、飲むもの、吸っている空気、着てるものとか、全部環境ですからね。僕らの細胞の1つ1つになっていくわけですから。それが循環しているから、全然、環境問題というは、どこか遠いところにある問題じゃなくて、自分の体の一部の問題なんですよね。だからやっぱり、今からやらないとダメですよ、いろんなことを」

スタジオで
(板谷) 「今回、森を見て、森を歩いてみたんですけど、やはり間伐の大切さっていうのを改めて思いましたね」

(村尾) 「森には大きく分けて自然のままの天然林。これはもちろん大切に守ってかなくちゃいけない一方で、人の手が入った、まあ今日のVTRのような人工林。これには間伐が本当に必要なんですよね。これ、森を再生するための間伐なんですが、実はこの間伐は森以外にもいろんなものが再生できるんですよ。たとえば、二酸化炭素を削減することによって、環境を再生できる。それから、間伐をするためには人を雇わなくちゃいけませんから、人を雇うことによって雇用を再生できる。そしてその人がその地域に住めば、地域も再生できる。だからこれ、間伐、大いにやるべしなんですよね」

(板谷) 「大切なんですね。それから今回、坂本さんとお話していて改めて思ったのはですね、親である私たちがやはり次の世代である子どもたちに残していかなければいけないものがあると。たとえば日本の豊かな四季であるとか、安全な食べものであるとか、その、子どもたちを取り巻く環境をやはり私たちが責任を持って、考えて、行動していかなきゃいけないんだなっていうのを本当に思いましたね」

(村尾) 「だからね、もう今日だけを見ていたらダメなんですよね。明日を見ないと。それは木によって、森によって教えてくれるんでしょうね」

(板谷) 「そうかもしれないですね」
日独首脳会談。

5日、ベルリン、共同会見
(麻生総理) 「(日独首脳会談では)いわゆる銀行の不良資産の処理と、また財政出動を通じた景気刺激策の話をさせていただいきました」

会談で麻生総理は金融危機への対応として、国会で審議中の補正予算案など、大規模な景気対策を打ち出している現状を説明した上で、財政出動を伴う景気の刺激が重要だと訴えた。その上で両首脳は、今後も金融危機克服のために協力していくことで一致した。
ドイツでも感染者が確認されている新型インフルエンザについては、情報交換や感染予防策について、日独で協力を進めていきたいとしている。

横田めぐみさんの両親ら、拉致被害者家族会が、こどもの日の今日、若者の街、渋谷駅前で「拉致問題を風化させてはいけない」と訴えた。

明日午後には日比谷公会堂で拉致問題の早期解決を訴える大規模集会が行われる予定。


<この記事の編集内容および著作の権利については、「テレビ報道を見守る会」に帰属します>

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